ポータブル電源の容量を増やしたい。長時間電気を使えるようにしたい。でも、大容量のポータブル電源を購入したり、ポータブル電源ではなくリン酸鉄リチウムイオンバッテリーやインバーターなどを購入してポータブル電源を自作するまではやりたくない、オフグリッドには興味があるけど電気工事士の免許がないしそこまでは、といった人が、お手軽にポータブル電源の電気の容量を増やす方法について説明しています。
その方法はずばり、上記の図の通りにポータブル電源を複数個数珠つなぎに接続すれば、簡単に電気の容量を増やすことが可能です。
ただし、使用するポータブル電源は、パススルー充電に対応したものが必要です。
ポータブル電源の容量や型番、メーカーが異なっていても大丈夫です。
専用の拡張バッテリーを購入する必要はありません。もちろん専用品があればいいに越したことはありません。
接続方法は以下となります。
1台目のポータブル電源(図の一番左)のAC入力を、家の壁等にある電源コンセントや、ソーラーパネルに接続します。
2台目のポータブル電源のAC入力を、1台目のポータブル電源のAC出力に接続します。
以降、複数のポータブル電源を同じように数珠つなぎで接続します。
最終的に、最後のポータブル電源のAC出力を、使用したい家電に接続します。
各ポータブル電源のAC出力をONにした状態にします。
特に工事や工具も必要なく、たったこれだけでポータブル電源が大容量化して、家電製品が使用できます。
電源コンセントに接続していたり、昼間のソーラーパネルが発電しているときは、パススルーのため、電力会社やソーラーパネルで発電した電気は、そのまま家電製品が使用します。
ポータブル電源に溜まっている電気は使用しません。
停電時や、夜間でソーラーパネルが発電していないときは、1台目のポータブル電源の電気が使用されます。その時、2台目のポータブル電源はパススルー状態なので、電気は使用しません。
1台目のポータブル電源の電気がなくなったら、2台目のポータブル電源からみたらAC入力がなくなりますので、今度は2台目のポータブル電源の電気を使用するといった流れになります。
本システムの難点は、ポータブル電源の電気を使いきったときに、電気の流れ道が1本のため、そのままの接続状態だと充電する時間が遅くなることです。
どのポータブル電源から先に充電されるかは、使用しているポータブル電源の仕様や設定にもよりますので、使用環境やポータブル電源次第になると思います。
ただし、ポータブル電源のAC入力プラグをいったんすべて接続を外して、それぞれのポータブル電源のAC入力を直接家庭用コンセントに接続して充電すれば、通常の使用方法になりますので充電時間は短縮されます。接続しすぎて家のブレーカーが落ちることのないようには注意してください。
また、AC出力の容量が小さいポータブル電源が1つでもあると、使用できる電気容量がそのポータブル電源の容量に引きずられますので、使用できる家電に制限ができるのでご注意ください。
そのため、使用するポータブル電源は、AC出力が家庭用コンセントと同じ1500Wまで使えるものをお勧めします。
デメリットはあるものの、工事不要で簡単にポータブル電源の容量を増やせたり、災害などの停電時にどうしても止めたくない電気製品(例えば水槽のエアーポンプなど)を長時間使いたいなどで使えるのではないでしょうか。
大容量のポータブル電源を1つ買うと、重くて移動も大変になりますが、容量が1,000Wh程度のポータブル電源を複数持っておけば、複数個所で使えて便利だし、今回のように接続すれば簡単に大容量化も可能となりますので、すでにポータブル電源を複数持っている人や、これから導入を考えている人は参考にしてみてはいかがでしょうか。
コメント