不動産投資はすべきか

投資

投資ときくと、皆さんはどのような投資を思い浮かべますか。
株式、債券、投資信託、ETF、リート、不動産投資、FX、太陽光発電など様々あるかと思います。
今回は、不動産投資に着目して、不動産投資をすべきか悩んでいる人の一助になればと思います。
結論を先に書きますと、不動産投資はサラリーマンで片手間にやろうとしているならお勧めはしません。

不動産投資とは

そもそも不動産とは、簡単に言えば一戸建てやマンションなどの家や土地そのもののことです。
不動産は、字のごとく動かせない資産(土地や建物)であり、対義語として動産(不動産以外のすべての財産。現金・商品など)があります。

不動産投資とは、家を購入して、自分が住むのではなく、他人に貸し出すことにより家賃をもらう投資方法となります。いわゆる大家さんです。
不動産投資は、投資ではなく事業(不動産事業)だという見方もありますが、今回はそこは本質ではないので本記事では不動産投資と記載します。

不動産投資の利益率

不動産投資の利益率は、どのような不動産を手掛けているかにもよりますので一概には言えませんが、おそらく一般的な株式投資よりも利益率は高いかと思います。
株式投資は年率5%ほどの利益があれば上々だと思います。
不動産投資だとうまく物件を確保して運営できれば、年率10%以上になることもあります。

不動産投資の流動性

株式は流動性がとても高いです。
証券会社での株式の売買はすぐにできて、お金が欲しい時にはすぐに現金化が可能です。
すぐに売買ができることを、流動性が高いといいます。

不動産は購入するのはわりと容易ですが、売却するのはとても大変です。
容易に売買できないことを流動性が悪いといます。

不動産は動産に比べ、金額も大きく、権利関係も様々なケースがある為、買い手がなかなかつかず、半年、1年、売却できないこともざらにあります。
もちろん、市場価格よりも大幅に値段を下げて売れば、購入してくれる人もいるでしょうが。
そのため不動産は現金化がとても大変です。

相続などで早期に不動産を売却して現金化したい場合などは、相場の値段よりもだいぶ低くしないと買い手が付きませんから大変です。

私は過去にワンルームマンションを購入して、不動産投資をしておりました。
中古で購入して10年強たった後に売却しようとしましたが、なかなか売れず、値段を下げていって1年後にようやく売却できた経験があります。
特にお金に困っていたわけではなく、のんびり売れればいいやと思っていたので、売れたので良かったです。

不動産の管理

サラリーマン大家さんなどの場合、家賃収入など管理はすべて管理会社にお任せすれば楽なので、後はほったらかしでもよいです。この点はとても良いかなと思います。
何かあったときだけ管理会社から連絡が入るので、不動産投資をしていたことを忘れるくらいです。

もちろん、自分ですべて管理して、物件の前の清掃をしたり、景観をよくするなど工夫するのもありです。

不動産投資にかかる経費

購入時や売却時に、不動産業者や司法書士に手数料等を支払う必要があります。
司法書士は、不動産の登記簿を変更する手続きをしてくれます。もちろん自分でやってもよいですけどね。

家賃収入などの管理を管理会社にお任せしていた場合、当然管理費を支払う必要があります。
業者やサービスによって異なりますが、管理費は家賃収入の5%ぐらいが相場でしょうか。
管理する費用なのに、固定の金額ではなく%で費用を徴収されるのもなんか変な気もしますね。

物件がマンションだと、マンションの修繕積立金もかかります。
修繕積立金とは、マンションの保守をするための費用を、マンションの所有者が毎月積み立てているお金です。外壁の大規模修繕や、共用部の修繕などに使われるお金です。
いままでマンションの賃貸に住んでいた方は、修繕積立金なんて払ったことがないと思いますが、それは大家さんが払っていたからです。修繕積立金も加味した分を家賃として支払っていたということです。
修繕積立金の金額はマンションによって異なりますが、経験則によると築年数が増えるほど、修理する箇所が増えたりして積立金が足りなくなり、修繕積立金がどんどん高くなったりしますので、家賃収入の金額はずっと固定なので利益率が悪くなります。
そのため、古いマンションを購入される方は注意が必要です。

備え付けの設備が壊れた場合も、修理、交換の費用が掛かります。

入居者が退去した場合は、クリーニングや壁紙の張替え、エアコンの交換などのリフォームが必要なので経費が掛かります。

税金は経費ではないですが、毎年、固定資産税を支払う必要があります。
四半期ごとに払ったり、1年分を一括で払うこともできます。

確定申告

不動産投資をしていると、家賃収入があるために、確定申告を行う必要があります。
株式だと源泉徴収ありの設定をしている人は、証券会社が勝手に対処してくれるので確定申告は不要ですが、不動産はそうもいきません。
毎年2月中旬から3月中旬までの間に、前年の1年分の申告をする必要があります。
最近はe-taxで家に居ながらに申告が可能なので便利になりました。

確定申告するために複式簿記を覚えていると青色申告が可能となり、控除額が大きくなるのでお得になります。これを機会に簿記の資格を取るのもよいのではないでしょうか。

簿記なんて難しい、めんどくさい、という方は、経理や確定申告を税理士にお任せするのもありです。

引っ越し時の登記簿情報の変更

不動産を購入して登記した後に、本人が引っ越しで現住所を変更すると、登記簿も変更しておいたほうが良いです。

売却時に、売却した本人がどこからどういった住所に引っ越して現住所にいるのか証明するために役所の書類が必要になってきます。
役所に覚えているデータは最近のものであればいいのですが、古い情報は残っていないことがあり、引っ越した経路を正しく証明できないことがあります(*1)。

*1 改製原住民票というのが平成26年にあり、それ以降の住所は150年の保管期間があるので良いのですが、改正前の古い住所の情報は保存されていません。

私の場合、物件購入後に何度か引っ越しをしたために、危うく証明ができない可能性がありましたが何とか大丈夫でした。
住所変更の証明ができない場合、商談時に売却不成立となって売却相手に迷惑がかかる可能性があります。心配なら、事前に不動産屋に相談しておくと良いと思います。

入居者の募集

新規入居者の募集は、よほど良い物件や家賃でないとすぐに入居者が決まりません。不動産屋さんにインセンティブを渡すなど工夫をしないとずっと決まらないこともあります。
酷い時には自分の物件を入居希望者に案内させた後、本命のもっと良い他の物件に案内させるなどのあてに使われて、なかなか入居者が決まらない可能性もあります。
入居者が決まらないと家賃が入りませんから、その間の損失は結構大きいです。

不動産の保険

万が一に備えて、火災保険に加入しておきましょう。
年末調整や確定申告で控除申請ができます。

マンションの管理組合

マンションの場合、そのマンションを所有している人で管理組合という団体を作っています。
マンションの運営をどうするか定期的に打合せもあります。
理事長が当番制で回ってきたりします。

私の場合は物件の場所と現住所が離れていましたので、申し訳ないですがいつも打ち合わせは欠席で理事長に委任していました。

入居者の死亡リスク

最近では高齢化社会になって、高齢者の孤独死の問題もあります。
夏場の暑い時期などに入居者が亡くなって時間がたつと、腐敗が進んでひどいことになります。

リフォームなどきれいにしたとしても、新規入居希望者に事故物件であることを伝えなければいけなく、家賃を下げるなどしないと新規入居は難しくなります。

私も入居者の高齢の方がなくなった経験があります。
幸いにもヘルパーさんが訪ねて亡くなった翌日に発覚したので大事にはならずに済みました。

警察の処理などいろいろ面倒なことがあるようですが、私はすべて管理会社にお願いしたのでその点は楽でした。
遺品整理やリフォーム代はもちろん結構なお金がかかりました。
亡くなってから次の入居者が決まるまで1年弱かかりましたので、その間家賃収入はゼロです。リフォーム代は家賃の1年分ぐらいかかりましたので、実質家賃2年分ぐらいの損失になりました。

不動産投資をするならリート(REIT)がお勧め

リート(REIT)は通常聞きなれない言葉なので、株式投資や投資信託に比べて、知らない方もいるかもしれません。
リートは、投資者から集めた資金を、プロが不動産への投資を行って、そこから得られた家賃等の利益を投資者に配当する商品です。
不動産に投資をする投資信託なので、不動産投資信託と呼ばれています。
株式と同じように証券会社で売買可能です。
そのため、現物の不動産の売買は流動性が低いのですが、リートなら世界中の人が売買対象なので、株式と同じように流動性がとても高くお勧めです。

まとめ

事業として自分ですべて管理して、腰を据えて不動産投資をするのであればよいのですが、サラリーマンで副業として片手間に大家さんをやるのは、お勧めはできません。

不動産投資は儲かるかもしれませんが、株式投資と違い、流動性がとても低く、空室リスクなども大きいと思いますので、素人は手を出さないほうが無難です。
どうしても不動産投資をしたい場合は、流動性の高いリートをお勧めします。

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